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下町の食文化を象徴する串カツは、地元民からも観光客からも愛されるB級ご当地グルメです。具材として選ばれるのは、細かくカットされた牛肉や海老、イカといった魚介類、そして瑞々しい野菜の数々。サクサクとした食感を楽しめるように計算された衣を身にまとった串カツは、「二度漬け禁止」な秘伝のタレに潜らせてから口の中へと運びます。従来はビールを小脇に抱えた立ち食いスタイルが主流でしたが、最近では落ち着いた雰囲気のオシャレ居酒屋として女性からも支持を集めている串カツ専門店を、大阪人からも認められる人気店に絞ってお届けします。
大阪のご当地グルメ「串かつ」についてのコラム
大阪では常識!?「ソースの二度漬け厳禁」とは
大阪のご当地グルメ・串カツの発祥の地と言われている新世界エリアでは、店内のそれぞれの客席に予め、ステンレスの容器に入った薄目のウスターソースが置かれています。そして、注文した串カツをそこに浸けて食べます。このソースは客席に置いているのでお客さん同士が共用することになり、衛生面を考慮して「一度漬けた串カツは二度漬けしない!」というルールが生まれたそうです。新世界エリアをはじめとする大阪の串カツ店を見てみると、看板やのれんに「ソースの二度漬けお断り!」「二度漬けはご遠慮ください!」と大きく書かれていることが多いです。ルールの呼びかけはもちろんですが、大阪の串カツ店の決まり文句のような要素もあるのかもしれません。
一度漬けてしまったけれど、ソースが少し足りなかった…もう少し漬けたい!と言う時にはどうしたらいいのでしょうか。多くの大阪の串カツ店では、串カツを注文するとキャベツが一緒に提供されます。このキャベツはざく切りになっていることが多く、キャベツでソースをすくい、そのソースにもう一度串カツを漬けて食べることができるようになっています!キャベツの形にも、大阪人ならではの工夫が現れているのです。
また、高級な串カツ店などではお客さん一人ずつにソースや調味料を提供することもあり、そういったお店では「二度漬け厳禁」とは謳われていないようです。
他とは何が違う?大阪の串カツの特徴
全国各地には、美味しい揚げ物のご当地グルメが多くあります。大阪の串カツは、東京や関東で見かける「串揚げ」や名古屋のご当地グルメである「味噌カツ」などに比べると、パン粉が細かいのが特徴です。これは発祥当初、数を多く作れるよう効率化をはかり、多くの串カツ店が溶き卵と小麦粉の衣の代用品として、業務用の「バッター粉」を使ったことが理由だと言われています。串カツは一口サイズの食べ物なので、仕込みの量も膨大になります。
また、大阪の串カツの衣は、元々は少し厚目につけていました。(現在はお店にもよります)これは新世界エリアの、肉体労働者や日雇い労働者達のお腹をしっかり満たすためだったと伝えられています。