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同じ牡蠣でも産地によって微妙な味の違いが現れることは有名ですが、瀬戸内海は波が少なく、餌となるプランクトンも良質。大味でなく繊細な味わいを楽しめるという特徴を持ち、小さめの殻には似合わないほど大きくてプリプリした濃厚な身に育つことが長所です。新鮮な生牡蠣からぷっくらした焼き牡蠣、牡蠣めし、牡蠣フライなど多彩な料理に変化することも楽しみの一つと言えるでしょう。全国1位の牡蠣生産量を誇る広島ですが、新鮮さや素材を生かす調理法で現地に適う都市は他にありません。広島に足を運んだ人だけが食べられる牡蠣料理の有力店を一挙公開します。
広島のご当地グルメ「牡蠣」についてのコラム
広島牡蠣の歴史
広島湾では縄文時代の貝塚から、様々な貝殻と共に、牡蠣の殻が多く発見されています。このことから、広島湾では古来より牡蠣が人々に食されていたと考えられています。縄文時代の人々が食べていた自然と岩や岸辺に付着した、いわゆる「野生の牡蠣」では一般的に身が小さく栄養が足りないため、養殖によって、より身が大きく、栄養価の高いクリーミーで濃厚な味の牡蠣を育てています。簡単に養殖といっても、海水温の変化や台風など、自然の影響を大変受けやすく、牡蠣養殖業者の弛まぬ努力と自然の恩恵無くしては出来ません。諸説ありますが広島の牡蠣は室町時代に、養殖が始まった言われています。広島の牡蠣は収穫されると「かき船」と呼ばれる船で、大量に大阪に運ばれました。販売だけでなく、船上で牡蠣料理を出す店もたくさんあったようです。現在当時の雰囲気を残すのは、淀屋橋に停泊する「かき広」一軒のみとなってしまいました。牡蠣の養殖といえば、海の沖合に浮かぶ筏の下に、ひも状に繋がった牡蠣を思ひ浮かべる人も多いのではないでしょうか。牡蠣の養殖方法で現在、最も取り入れられている「垂下式」と呼ばれるものです。広島湾の自然環境と、養殖業者の努力の賜が、広島牡蠣が生産量全国1位となる由縁です。
広島のオイスターロード
広島県が誇る名産の牡蠣を、より多くの人たちに気軽に食べてもらおうと推進している「瀬戸内海の道構想」の実証事業の一環として誕生しました。「ひろしまオイスターロード」として親しまれている、瀬戸内海沿岸を中心に期間限定で冬から春に、各拠点に「かき小屋」がオープンしています。家族や仲間で、気軽に殻付きの牡蠣を焼いて食べる「浜焼きスタイル」で楽しむことができます。リーズナブルな価格で牡蠣料理を食べて、穏やかな瀬戸内の海と潮風、自然の景色を楽しむ、そんな時間もまた格別です。
広島牡蠣の人気の秘密
広島牡蠣にも、養殖場環境の改善や生産者の努力によって「ブランド牡蠣」が登場し、特長が違う牡蠣が楽しめる様になりました。生産者のこだわりと努力の結晶として「広島牡蠣」の品質向上につながり、広島県が独自に「牡蠣」の条例を定め、食品衛生上の安全対策にも力をいれています。プリッと濃厚なのはもちろん、確かな安全性も「広島牡蠣」の人気の秘密といえます。新鮮な牡蠣は、生牡蠣として楽しめ、広島県のご当地料理には、牡蠣を使った定番の料理「牡蠣の土手鍋」もあります。牡蠣は栄養面でも優れた食材で、色々な料理で牡蠣が味わえるのも人気の秘密ですね。